2021/04/17 11:28



インターネットの世界が当たり前になった昨今、
ブログをはじめ、SNS、動画など、様々な媒体に数えきれないほどのレシピが存在しています。

時代の流れとしては、
文字のレシピにおいては下処理の部分を詳しく紹介できなかったり、時には省かねばならなかったり、
場合によっては、工程をあえて流行の機器を使用したものにおきかえねばならなかったりする傾向も見られます。
また、数えきれないレシピが存在しているからこそ、まずはインパクトを求める傾向もあり、
本来の家庭料理のシンプルさが伝えられない状況になりつつもあります。

今主流の動画に関しては、早く作れることは大前提、
さらには調理の工程を早回しにしたり、削れる部分をとにかく削ったりして、
短時間で見てもらう(観てもらうではない)ような作りになっています。

いずれにしても「簡潔さ」がとても大きなニーズになっていることは間違いありません。

そういった中で、実は知らず知らずのうちに起きていることがひとつ。


様々なレシピにおいて、ひとつひとつの料理がきれいかつ簡単に完結しすぎているため、
受け手はその料理だけは作れるようになるのに、
いざ、他の料理を作ってみようと思ってもどうしていいのかわからず、
結局また新たにレシピや動画を探さなければいけない・・・

というサイクルになっているということです。
いろんな情報があふれる社会ならではの現象だと私は思っています。

そうなると、単品レシピだけは膨大にストックされていきますが、
それをどう応用するか、他の料理とどう組み合わせるか、
はたまた、何か他の料理にいかせる工程はあるのか、
といったことが見えづらくなるので、
常に新しい料理を探し求めることになり、

「なんだか料理ってしんどい」


という負のスパイラルに気がつかないまま陥っていることがあるのです。

実は作り手は知らずうちに、「料理がプレッシャー」になっている場合も否めないんですね・・・。
新しい情報をストックし続けることには、やはり限界がありますから。


そういった現代の流れからしても、
家庭料理は、一食一食が「点」に見えているかもしれませんが、

実はそれはつながっていて、本来なら長い長い「線」になるものなのです。


今の時代に合わせて削ったはずの工程は、実は他の料理のいろんな部分にも使えて、
それが本当なら「知識」となって次の料理につながり、
やがて「線」となって、家庭料理を逆に楽にする方法になることがたくさんあります。

そしてそういった「線」を作っていければ、
自分で知識の取捨選択ができるようになり、
より適切かつ無理のない方法で、料理を「簡潔」にできる方法がだんだんと見えてきます。
自分なりの快適な料理方法を見いだしていくことこそが、本来の家庭料理の醍醐味であるとも私は思っています。

だれにもとやかく言われなくていいのが家庭料理。
知識や方法を知っていれば、インパクトなどなくても、理にかなった自己流が見えてくるのです。

そしてまた、多くの方が、

こういった情報社会の時代にひっぱられる中で、同じような悩みに直面しておられます。


それは、

作り手は常にいろんな料理を作り出し、複雑な献立を考え、
食べる側を飽きさせないようにしなくてはいけないのではないか、ということ。

昔は作り手だけが得がちだった料理の情報を、
今は食べ手もたやすく得られる情報社会になった背景も大きいかと思います。

でも。。。

家庭料理こそ、本来は「繰り返し」でいいのです。


新しいレシピを次々に取り入れる必要はありません。
そして「完璧」じゃなくていいのです。
言ってしまったら、
究極、ごはんと具だくさんのおみそ汁があれば成り立ちますし、
そこに定番のおいしいおかずがひとつあれば、なお豪華になるのが家庭料理なのです。

「繰り返し」は「繰り返し」でも、
「線」となった料理からの知識があれば、飽きない「繰り返し方」というものが見えてきます。

そして、家庭料理は「完璧」じゃないからこそ、食べる側は実は飽きずに「繰り返し」を楽しめます。

たとえ料理が好きではなくとも、
「線」にすることで楽になる場所がわかり、少し肩の荷をおろすこともできるのです。

何より、「線」を作る=献立をどうたてたらいいのか が見えてきます。


本来、献立はとてもシンプルなものでかまいません。
前述の通り、一汁三菜である必要もまったくないですし、
食が飽和した今の時代にひっぱられる必要も全然ありません。

つまり、家庭料理は、はちまきを巻いて気合いを入れなくても大丈夫なのです。
もちろん、よし!がんばるぞ!!と思える時期は、ぎゅっとはちまきをしめてがんばるものあり。
そういった時期には、よりたくさんの知識を吸収してほしいと思います。

でも、料理を「線」にしていく作業は細く長いものなので、

料理がしんどい時期は、ぜひぜひはちまきはしまってください。

はちまきをほどいても、本来のシンプルな家庭料理はしっかりと成り立つから大丈夫です。

ちなみに、今私は50代を目前にし、日頃はすっかりはちまきをはずしています(笑)
記念日など、ここぞという時はしめる感じでしょうか。
20代、30代あたりは、ぎゅっとはちまきをしめっぱなしでしたが。

そこで私は、

この「JUNA Online Kitchen」というオンラインレッスンを立ち上げ、

ともかくまず、料理の「線」をご提供したいと考えています。


あの時伝えたあの調理法、実は今回のここの工程でも使えるんですよ、
先日行ったあの下処理は、実はこんな素材を使ったら今回はしなくても大丈夫なんです、
あのとき覚えた調味料の割合、実は今日のこんなところにも使えるんですよ、
これ一つ覚えておけば、実は○○系の副菜全部に共通して使えるんです、
この素材は実はあのときの方法を使うと、さらにおいしくなるんですよ、
こうやって調味料を組み合わせれば、「繰り返し」も「繰り返し」には見えないんです、

といった「線」となる知識です。

私が長年主婦として、そして料理家として得てきたあらゆる知識を
ありのまま、飾らずにご提供します。

そしてその知識を、みなさんがどこにどう活かしていったらいいのかが見えてくるように、
様々な選択肢もご提供したいと考えています。

その知識をみなさんが取捨選択できるようになり、
家庭料理への向き合い方を変えられるきっかけになれたらとも考えています。

これこそが、私がこのオンラインレッスンで要になると考えている

続けるレッスン=「定期レッスンコース」

の大切なコンセプトになります。


「続ける」レッスンをご提供することで、日常的な家庭料理の「線」を作り、
料理への向き合い方を知ることで料理への負担を軽減し、
献立で一日悩まずにすむようなお手伝いをさせてください。
時には楽しさも見いだせるようになれば幸いです。

でも「好き」や「楽しさ」は強要はしません。
料理が好きじゃなくても全然問題ないのです。

どのみちしなければいけない料理ならば、

知っていることが多くある方が、断然料理するのも、そして気持ちも「楽」になれるのです。


そして、

みなさんが時代の流れとともに、知らないうちに植え付けられてしまった

「妙な足かせ」をはずすお手伝いもしたいと考えております。


そんなわけで、

これから私と一緒に、家庭料理を「線」にしていきませんか?

そして家庭料理をシンプルにもしていきましょう。

より多くの方に、本来の家庭料理の意味を知っていただけたらと思っております。


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もうひとつのコース

「単発レッスンコース」

は、

絶対的な定番家庭料理の枠からは少しはずれ、
日常の家庭料理においては必須ではない、スパイス要素的な料理カテゴリーとなる

・お菓子やパン作り
・お弁当作り
・イベント系の料理
・少し手の込んだ料理

などを中心に、他にも単発で取り上げた方がよいと判断したものを取り扱っていく予定です。
こちらは必要に応じて、都度お受けいただければと思っております。

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どちらのコースにおきましてもJUNAらしい家庭料理の枠ははずれず、
気楽に楽しく、そして充実した内容にしたいと考えております。

たくさんの方の笑顔に出会えますことを楽しみにしております。



JUNA(神田智美)
2021年4月